第59章 途中下車
会いたいよ…智くん…。
触れたいよ…智くん。
恋人である智くんとは、映画やドラマの撮影などで、すれ違いの日々が続いていた。
嵐としての仕事があるから、顔を会わす日がないわけではない。
だけど、あなたはまるで俺のことなんか気にしていないかのように、俺以外のメンバーとじゃれあったりくっついていたりする。
メンバーもあなたという人が大好きだから、気持ちはわからなくもない。
それに、あなた自身が受け入れていることを、俺が止めさせることなんてできないんだ。
「ちょっと出てくる。間に合うように戻るから。」
俺はそう言って、楽屋を出た。
みんなは心配そうな表情で俺を見ていた。
智くんとも目があったけど…何も言ってくれなくて、それがすごく悲しかった。