第49章 いつもの日常の中で
絶頂が近くなってきて、智くんの腰の動きが速くなってきた。
「んっんっんっんっ…。」
「あっあっあっあっ…んっ…。」
智くんが二人の腹辺りで揺れている俺の中心を掴み、上下に擦りはじめる。
「んっ…しょーくん…イク…。」
「智くん…俺も、イキそ…あっ…。」
智くんはゴムの中に、俺は智くんの手の中に欲を吐き出した。
二人ほぼ同時に果てて、智くんが俺の上に倒れこんだ。
「んふふ。」
智くんのその笑いだけで、何を言いたいのかわかるよ。
「しやわしぇ。」
「俺も幸せ。」
智くんの“しやわしぇ”は、その言葉以上に俺を温かくしてくれるんだ。
週明けの今日もまた、昼休みを屋上で過ごす俺たち。
俺の胡座には、愛しの智くんの頭が乗っている。
智くんのこの温もりは、ずっと離したくない。
「んんっ…。」
智くんの頭が俺の太腿でモゾモゾ動く。
もぅ…っ。
身体がね、疼いてきちゃうよ…。
智くんの髪を撫でて気を紛らわせる。
「あ~あ、また汗かいてる…。」
智くんの額の汗を、いつものようにハンカチで拭いてあげた。
可愛らしい顔をして眠っているけど、そろそろ起こす時間だ。
「起きて、智くん。」
「…ん~っ、やだ。まだ寝てたい。」
「ふふっ。あなた起きてるじゃん。」
智くんがガバッと身体を起こした。
「もう1回言って。」
「言いません。」
「じゃあ…。しょーくん、おはようの、ちゅう。」
「しません。」
「どうして?」
「ここは学校だから。」
「学校じゃなかったらいい?」
「それは考えておきます。」
「素直じゃないなぁ。」
「だって…。」
「しょーくん大好き。」
智くんが唇を尖らせて顔を近づけてくる。
「大好きだよ、智くん。でもやっぱり…ここではダメ。」
ムニュッ。
俺は親指と人差し指で、智くんの唇を閉じた。
「だって…キスだけで止められる自信がないから…。」
大好きなキミに…聞こえただろうか。
END