• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第48章 そのままでいい



「ねぇ、智くん。」

「ん?」

「これ…どうかな?」

「いいよ、すごく。」

「ふふっ。ありがと。」

キミにとって、かけがえのない時間が流れる。

もちろん、そんなキミを見ている俺にとってもだよ。

…翔くん。




俺には同い年の男の恋人がいる。

翔くんと俺は、会社で知り合った。

付き合ってから3年、一緒に住むようになって1年が過ぎた。

翔くんは色が白くて、目がくりっと大きくて、唇がぽってりしてて、一瞬女の子かと思ってしまうくらい美人さん。

だけど、男気があって声も低音ハスキーボイスで、男の俺から見てもカッコいい。

仕事もできるから、後輩はもちろん先輩や上司にも気に入られてるんだ。




そんな翔くんの秘密に気づいたのは、付き合ってから半年が過ぎた頃だった。

真面目な翔くんだから、日々葛藤の中で生きてきたんだと思う。

引っ越しの時の荷物の中にも、それらしき物は何もなかった。

それは翔くんのうちに秘めたものだから、表立ってはわからない。

俺は翔くんをずっと見てきたから気づいたけど…。

翔くんの行動の節々には、秘密を隠そうとしている様子があった。

だから俺は、気づいていないふりをしていたんだ。





/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp