第7章 若葉の頃
「翔くん、こっち。」
俺は翔くんの手を引いて、校舎裏の草木のある場所に向かった。
ここには俺たちの肩の高さほどの塀もあって、周りからは見えにくいポイントになっている。
薄暗い空の下では、俺たちは見えないだろう。
スクールバッグを下に置き、翔くんの肩に両手を掛け、膝立ちになるように促した。
「翔くん。もう1回キスしていい?」
「うん。俺も…キス、したかった。」
ちゅっ。
さっきと同じように、触れるだけのキスをした。
「ドキドキが止まらないよ…。」
ふぅ…と息を整えながら照れてる翔くんが堪らなく可愛い。
「俺も、ドキドキしてる…。」
大好きな人が目の前にいて…
両思いなのがわかって…
誰にも見られないであろう場所に二人きりで…
もう気持ちが止められなくなった。
「翔くん…、もうちょっと長いの…しよ?」
翔くんの頬に手を添える。
翔くんは一瞬ビクッとしたけど、ゆっくりと目を閉じた。