• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第36章 桜筏(さくらいかだ)



学校からの帰りに、大好きな公園に立ち寄った。

ここは桜も綺麗で、思い出の場所でもある。

桜の花びらが、はらはらと舞っている。

散りゆく桜が儚くて…恋人の翔くんに会いたくなった。

翔くん…学校終わったかなぁ。

メールを送るとすぐ、翔くんから電話がきた。

「もしもし?」

『あ、智くん?メールありがとう。ちょうど帰ってる途中でさ。あと10分くらいで着くと思う。』

「大丈夫だよ。ウロウロしながら待ってるから。」

『え~っ。ウロウロなんかしたらキケンだよ。』

「ふふっ。キケンって…。」

『だって智くんはさ、カッコよくて綺麗で可愛いからさ。老若男女問わず寄ってくるじゃん。』

「そんなことない…。」

『そんなこと、ありますぅ~、ありますぅ~。』

「もう、翔くん。なに言って…。」

『あっ、ペットもキケンだ。』

「はぁっ?」

『ペットを口実に近寄る人いるから。可愛いですね~なんて、自分からペットに目を向けるのもダメ。』

「はいはい。」

『ちゃんとわかってるの?』

「わかってるからさ…翔くんに早く会いたいな~。」

『……。』

あっ、沈黙…ふふっ。

翔くんは電話の向こうでニヤニヤ破顔してそうだな…うん、きっとそうだ。

「じゃあ、待ってるから。」

『あっ、智くん。』

「ん?」

『好き。』

プツリ…プーップーップーップーップーッ…



本当にもう、翔くんは…。

俺も好きだよ。




/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp