第35章 恋日記
僕は、ソファーにいる翔くんの分とともにココアを入れた。
「ありがとう。久しぶりだなぁ、智くんが入れてくれたココア。」
僕は翔くんを意識してしまいそうで…ソファーの下に座った。
「ココア…美味しいよ。」
斜め後ろから翔くんの低音ハスキーボイスがした。
きっと僕は今…頬が赤いかもしれない。
「智くんは、ソファーに座らないの?」
隣になんか座ったら、心臓のドキドキが聞こえちゃいそうだよ。
「うん。地べたがいい。あちっ。」
猫舌だから少しずつ飲むつもりが、思いのほかグイッと入ってきてしまった。
「大丈夫?」
心配した翔くんが、自分と僕のカップをローテーブルに置き、僕の隣に座った。
「智くん、舌見せて。」
「大丈夫だって。」
「見せてって。」
「大丈夫だから。」
「いいから見せなさい。」
「はい。」
こういう時の翔くんには敵わない。
僕はそぉ~っと舌を出した。
「ほらぁ、ちょっと赤くなってるじゃん。」
僕の舌と顔を覗きこむ翔くんにドキドキする。
「思ったより痛くないから…。」
僕は翔くんと少し距離を取ろうと、翔くんがいるのと反対側にお尻をずらした。