• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第32章 サクラ色の空



「俺さ、心残りがあってさ。」

「心残り…?」

「うん。そう。それを…伝えにね。」

翔くんの大きな目が俺を見ている。

トクン…トクン…

「智くんがね、言ってくれたこと…すごく嬉しかったよ。」

翔くんの目が潤んでいる。

「俺さ、東京に行ってまだ数日なのにさ。智くんのことばかり考えててさ。」

「うん…。」

「智くんは俺にとって…友達以上で…大切な人で…。」

俺と同じ気持ちでいてくれたのが

すごく嬉しかった。

翔くんの大きな目からは涙が溢れている。

「俺…勝手だよね。自分からここを離れたのにさ。」

俺は泣きながら肩を震わす翔くんの頭に

タオルを掛けて、優しく抱きしめた。

「そんなことないよ。やりたいことがあるんだろ?それがさ、ここにはなくて東京にはあるんだろ?」

「う…ん…。」

「俺はさ。いずれはさ、商店を継ぎたい…それがここにあるからさ。お互いにやりたいことがあるなんてさ、素敵じゃんか。」





/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp