• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第31章 前を向いて



灯台に登ったのは初めてだ。

「あ~、気持ちがいいね。」

「んふふ。翔くんと登れたからなぁ。」

「嬉しいこと言ってくれるじゃん。」

「大学が違くなるからさ、翔くんが遠い存在になる気がしてたんだ。」

「俺たちは変わらないから。」

「うん。翔くんのこと、いつも想ってるから。」

「あはは。うん。ありがとう。俺もだよ。」

「うん。翔くん、色々相談に乗ってね。」

「うん。いいよ。」

「お互い頑張ろうね。」

「智くんと次に会えるの、楽しみにしてるから。」

「もっといい男になっててやるよ。」

「うん。期待してる。」

ふふって顔を見合わせて笑いあった。



これからは今までみたいにいつも

一緒にいられるわけではないけど、

気持ちは翔くんとともに。

それだけで心が暖かくなるんだ。






ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン…

電車の窓からは、夕陽に照らされてオレンジ色に波打つ海が見える。

その光景は切なくも、今日1日頑張ったことへの癒しと、明日に向かってのエールを送ってくれているように思えた。




「ねぇ、翔くん。」

「ん?なぁに?」

「海藻ラーメンさ、俺以外の人と…。」

「食べない、食べない。智くんとだけ。」

「よかった…。俺も翔くんとだけって思ってた。」

環境が変わっても、海藻ラーメンは…

これだけは、翔くんとの楽しみにしよう。






『好きな人と登ったら、その恋はうまくいく』

お互いが想いあっていること。

そして…案外、些細なことの

積み重ねなのかもしれない。






END



/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp