第31章 前を向いて
ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン…
電車の窓からは、太陽に照らされてキラキラ光っている海が見える。
3月の今は、砂浜を散歩している人がチラホラ。
その先にある灯台。
そこは特に週末になると、カップルで賑わうスポットになっているんだ。
『好きな人と登ったら、その恋はうまくいく』
好きな人と登れたらさ…いいよなぁ。
だって、俺が一緒に登りたい人はさ…
「うわぁ。灯台に向かう人達さ、またカップルだらけじゃん。ねっ、智くん。」
「うん、そうだね…翔くん。」
隣で同じように、窓から景色を眺めている…幼なじみの翔くんなんだ。