第29章 素直に言えなくて
だけど…
たまには言ってみようか。
今、一番伝えたいことをさ。
「翔くん。」
「ん?」
「翔くんのことが大好きです。」
あっ…
キミの大きな目に、じわじわと
涙の粒の膜ができてきた。
だけど、それは嬉しいからだよね。
そんなキミを…翔くんを見てね、
やっぱり好きだなぁって
俺の胸がドキドキしてきたよ。
「智くんの心臓の音…速くなってる。」
ほらね、やっぱりキミは気づくんだ。
6枚のキャンバス。
画像に残して、またまっさらにした。
「翔くんも描いてみる?」
「えっ…えぇ…っ?」
「んふふ。」
END