第4章 策士なのかもしれない
今日は俺を除くメンバー4人は、久しぶりにみんなで飲みに行っている。
俺は仕事が終わり次第、合流する予定だ。
「ごめん、遅くなった!」
「お疲れ~!」
案内された個室に入り声をかけた後、中を見渡して智くんを探す。
…いた。
壁にもたれてフニャフニャしている愛しの智くん。
色気駄々漏れで、一緒にいるのがメンバーであっても心配でならない。
俺は智くんの隣に座った。
松潤が頼んでくれた生ビールを受け取り、グイッと飲む。
くぅ~っ!仕事の後のビールは最高!
「そういえば楽しそうな声がしてたけど、何を話してたの?」
「あのね、リーダーの好きな食べ物の話~!」
「何やら、相当お気に入りらしいですよ?」
「翔さんにも教えてあげたら?」
「なになに?気になる!教えてよ、智くん。」
智くんはフフフってハニカミながらこう言った。
「オイラの好きな食べ物はね~、きのこ!」
「きのこ?」
…初耳なんだけど。
「ほら、どんなきのこか気になってるみたいよ?」
「えっとね~、エリンギの先にね、なめこのヌメヌメがかかってるイメージ。」
「ん?イメージなの?」
「でも実際にあるんだよね、リーダー。」
「昨日の夜、食べたらしいよ。」
「昨日…?あなた、俺と一緒にいたよね…。なのにいつ食べたの?」
「極上のきのこだったなぁ。」
「ねぇ、俺は食べてないけど…。」
「リーダー、翔ちゃんわからないみたいだよ。」
「ちゃんと教えてあげたら?」
「じゃあねぇ、教えてあげるぅ。」