第6章 四次試験の始まり
キルを探そうと私は木に登って、てっぺんまで一気に行こうとした。すると、何やら聞き覚えのある声が聞こえた。それは少し離れた森の中だった。
「あれ? ヒソカだ」
「ん? あぁ、キミか♡」
ヒソカは蝶がたくさんいる幻想的な所に立っていた。ヒソカ以外にも1人いた。
「………あ……あ……」
「あ、おじさんだ」
「知り合い?♦」
「うん。さっきちょっとね。服を乾かしてもらったの」
「へぇ♡なんでまたそんな面白そうな状況になったんだい?♦お兄さんが聞いたら怒りそうだよ」
あの男の人は血だらけで立っていた。その周りに蝶が蠢いている。よく見ると、頭の部分が人の顔のように見えた。
「………人面蝶?」
「正解♡」
ヒソカにも少し集まっているところをみると、血に反応して群がってくるのだろう。私には全く近寄ってこない。
「う……うおおおお!!!!」
男の人はフラフラしながら、ヒソカに猛威を振るった。しかし、ヒソカはその攻撃を避け続け、男の人はついに片膝をついた。
「な……何故だ……何故……戦ってくれない…」
男の人はヒソカに懇願するような目を向けた。
「そんなの簡単だよ♦ キミほっといても死ぬでしょ?」
それは、蝶の数から見ても明白だった。ヒソカと明らかに数が違う。
「た……頼む……戦って死にたいのだ……頼む!!」
「断る♡」
男の人は悲痛な叫びをあげ、そしてそのまま力つきた。彼から溢れ出るその血だまりは、つまり彼の死を意味する。
「ボクにこんな面倒事を押し付けてさ♡どうせ、死に行く願いとか言われたんだろうけど」
「ん?」
私は後ろを振り返った。すると、そこにはカタカタさんがそこに居た。