第6章 四次試験の始まり
また飛行船での移動。私はひと伸びした。窓の外を見ると、海が見えた。
「………あれが海かぁ」
目的地は、沖の先に見える第四次試験会場のゼビル島。私は期待で胸がいっぱいになった。初めて見る海は光がキラキラと反射して私の目にはとても綺麗に映った。
「そういや、姉貴は初めて見るんだったな」
隣にいたキルアが私に退屈そうに言った。………もう飽きたのか。私は苦笑いをしながら頷いた。隣のゴンは大きな目をさらに大きくして、私を見た。
「えっ!? アルミって初めて海を見たの??」
「ゴンは島育ちって言ってたね。私の家は周りに山があるし、海は見えないんだよ」
「そっか。あ!!じゃあね、知ってる?海ってねしょっぱいんだよ!!」
私は面白くて笑った。
「ゴン。姉貴はバカじゃねぇんだから、そんくらい知ってるって」
キルアが呆れたように言うものだから、さらにおかしかった。
「そうなの?」
「うん。でも、実際に舐めたことないから、どのくらい塩辛いのか分からないなぁ。どのくらい辛いの?」
「んーとね!! 舌がピリピリするくらいは辛い!!」
「なんだよそりゃ」
ニコッと満面の笑みを浮かべるゴンに呆れるキル。私はそんなふたりのやり取りが可愛くて、
「そっか。教えてくれてありがとね」
と言って、ゴンもキルも頭を優しく撫でた。