第3章 ハンター試験
「………ん?あれ?ねぇ、電話鳴ってるよ?」
りりりりと不自然な音が辺りにこだまし、私はそう指摘した。その人は携帯を取ると、私に手渡した。私に出ろということだろうか。
「……もしもし♡ ボクだけど、キミ今どこにいるの?」
電話から聞こえたのは何か聞き覚えのある男の人の声だった。
「今は……森の中を走ってる。ねぇ、そう言えば私たちどこに向かってるの?」
カタカタカタカタ。音を鳴らすだけで、何もわからなかった。ふむ。やはり不便だな。
「ん? キミ、さっきの子だよね♦️いま一緒なの?」
電話の主は私のことを言っているのだろうか?私は、
「さっきの子か分からないけど、私アルミ。あなたは?」
と電話の主に聞いた。
「嫌だな♡さっき会ったじゃないか♦」
「さっき………あ!!もしかしてヒソカか!!」
「そっ♡」
やはりこの人とヒソカは仲間だったようだ。しかし、なぜ私を抱きかかえて、移動しているのだろう。よく分からない。
「ねぇ、アルミ♡ もしよかったら………」
「あ」
電話は途中で切られた。そして、その人は何か操作をして、携帯をしまった。
「ねぇ、話せないのに携帯って意味あるの?」
カタカタカタカタ。イエス?
「ふぅん。ねぇ、どこに向かってるの?」
カタカタカタ。同じ質問をしても返ってくるのはやはりよく分からない答え。んー、私殺されるのかな。