第10章 天空闘技場
「それでは…始め!」
審判の合図とともに、ギドは何かを取り出した。
「あれは………コマ?」
「だな」
器用にコマを扱い、何個も杖の上に乗せている。サーカスの芸みたいだ。
『出ました!!ギド選手の舞闘独楽!!』
あれが彼の戦いのスタイルのようだ。
「………あれが武器…」
「んー…多分だけど、アレで行く手を遮って、攻撃するんじゃねぇの? コマ遊びみたいにさ」
キルがそういった時だった。ドゴッという音がして、ゴンが吹っ飛んだのは。
『クリーンヒットォ!!』
「念を込められたコマは何時間でも回り続けお前を襲う!」
ギドの言葉に、私はキルと顔を見合わせた。キルの見解は当たったようだ。
「ちなみに複雑に舞い飛ぶコマの動きは、もはやオレでも予測不能だ!!」
「自分で制御できねぇ武器は、武器と呼ばねぇだろ。ただのポンコツをあんな自慢げに言われてもなぁ」
キルが鼻で笑った。だが、彼の目は真剣そのもの。念を習ったばかりのゴンには、この戦いは酷というものだろう…。
「………………ゴン…」
私は無意識の内に手を組んでいた。手には汗が滲む。