第10章 天空闘技場
3人そろってエレベーターを降りると、不意にキルが私を止めた。
「どうしたの?」
後ろではエレベーターの扉が閉まる音が聞こえた。
「………なにかいる……」
「殺気だよ」
奥から嫌な気配を感じると言うのだ。しかし、私は何も感じない。
「大丈夫?」
「……ああ」
「……うん!!」
二人共真剣な顔で、1歩を踏み出そうとした。
「………行くぜ、行ってやる!」
キルが声を出して、前に進み始めた。ゴンも私もそれに続く。しかし、
「くっ!!」
二人はとても進みづらそうだった。
「この殺気!完全にオレ達に向けられてる!」
私は後ろで、アタフタとしていた。
「ゴンたちに向けられてるって……!?大丈夫? 引き返す??」
「……ってか、なんで姉貴は平気なんだよ!!!!」
なぜと言われましても………感じないものは感じないのだからしょうがない。
「おい!!一体誰だ!?そこにいるやつ出てこいよ!!」
キルは叫んだ。すると物陰から誰かが姿を現した。
「キルア様とゴン様とお付きの方ですね」
普通の受付のおねえさんだった。おねえさんは普通に説明を始める。
「今日中に200階クラス参戦の登録を行ってください。今夜の0時を過ぎますと、登録不可能になりますのでご注意下さい」
…………キルたちが言ってた殺気って、本当にあのおねえさん…?
「あの…つかぬ事をお聞きしますが、今この子達を殺そうとしてます?」
「はい?」
おねえさんは訳が分からないとばかりに首を傾げる。
「!!!おい!」
私も首を傾げた時、キルが何かに気づいた。彼の視線の先には、おねえさんの後ろにいるもう一人の影があった。
「!!!」