第8章 帰宅と秘密
「私が? イル兄って、冗談言うんだ」
私はさも可笑しそうに笑って、取り繕った。
「どうしたの?」
「ん?何が?」
些細な表情の変化だったと思うのだが、ヒソカは勘が鋭いことを改めて感じた。だが、大丈夫だろう。ヒソカは知ることのない事だ。
「………あぁ、なるほど♡キミ、呪いのこと知ってたんだ」
「え?」
しかし、ヒソカが次に口にした言葉は、私の心が凍りつきそうになるくらいに衝撃的だった。
「………呪いのこと……なんでヒソカが知ってるの?」
「イルミから聞いた」
イル兄から………。私は溜息をつきそうになった。それと同時に、あの人が意外にもヒソカに信頼を置いていることを知った。
「もしかして、キミが大人しく家に戻ったのってそれ?」
「…………なんだ。ヒソカは知ってたの」
私は開き直ることにした。キルに会う前で良かったと。
「……キルには言わないでね。これ、家族の中でもトップシークレットだから」
「それをボクに言ったイルミの意図は?」
私は少し考えてから口を開いた。
「……私を始末する時に頼みやすくするため…とか? 一応家族内の殺しはタブーだし」
まぁ、私が家族だと認められているかは結構怪しいが。
「なるほど♡ 」