第8章 帰宅と秘密
「……………え!?」
私は慌てて起き上がろうとしたが、ヒソカは口元に手を当て、シーッという仕草をした。
「………なんでここに?イル兄が??」
でも流石にそれは許してくれないだろう。やはりヒソカは首を振った。
「イルミには内緒で♡ なんか今日、手薄だって聞いてさ♡」
…………確かに、父様はカルトを送ったあと、仕事って言ってたし………お爺様もだ。
「キルなら地下の仕置部屋だよ?」
「キルアとはまた会えそうだからね♡今回はキミに会いに来たんだ」
「…そう。でもその前に窓占めてくれない?寒いよ」
「もちろん♡」
何故わざわざ窓から来たのか…窓の方が入りづらいと思うんだけど……
「こんなに気持ちいいのに♦」
ふわっと夜風がヒソカの髪をなびき、少し長いヒソカの髪は耳にかかった。
「………ヒソカってさ」
私はほぼ無意識で口を動かしていた。
「うん?」
「実は天使様って言わないよね?」
私がそう聞くと、ヒソカは首を傾げた。
「窓から入ってきたから、王子様って言われるかと思ったよ♦」
「天使様も窓から入って来るんだよ。ヒソカの髪、とても綺麗だし、水とか出せるし…そうかなーって」
慌てて弁明らしきものを言ったが……流石に子供っぽかったな…