第3章 rainy
「椿ちゃん!おはよー☆」
「‥‥ 。」
「え⁉︎無視⁉︎無視するの⁉︎及川さん泣いちゃう!!」
「勝手に泣いてろ。クソ川。」
後ろから岩ちゃんの登場。
及川に軽く蹴りをいれて、
「イタッ!岩ちゃんまで⁉︎え、待って!置いてかないで!!!」
「あ、おはよう。岩ちゃん。」
「おう、はよ。」
「岩ちゃんには挨拶するの⁉︎」
「え、あ‥おはよ。うるさすぎて気づかなかった。」
「うるさかったら気づくよね⁉︎普通!」
「うるせえ!!!黙れ、うんこ野郎!」
「岩ちゃん⁉︎もはや名前じゃないよ⁉︎一文字もあってないよ⁉︎」
「ねえ、岩ちゃん。ミルクとビターどっち派?」
「椿ちゃんは話聞こう⁉︎」
「あー、ビターだな。」
「やっぱり?岩ちゃんのイメージ的にビターっぽいなーって思ってた。」
「そうか?でも甘ったるいのは苦手だ。」
「俺はミルク派ね☆」
「じゃあ、岩ちゃん用に別に作るわ。」
「何作るんだ?」
「バレンタイン。終わっちゃったけど私受験終わったし。」
「ああ、悪いな。」
「いやいや、ただの暇人なんで。」
「俺のこと忘れないでーーー!!!!」
「「わかった。わかった。」」
若干涙目になった及川を見て呆れながら慰める2人。
登校中。いつもの朝。
そして今、及川さんは岩ちゃんに
うるせえ!と蹴られている。
これもまたいつもの光景。
それを椿が見て笑う。
これもまた、いつもの光景である。