第2章 sunny
正直気まずい。
振っておいていつも通りに話す自分。
何なんだって感じ。
でも、
西谷くんが話しかけてくる。
避けたらそれはそれで申し訳ない。
諦めないって言われたけど、
私もまだあの人のこと諦めきれそうにないな。
返事は?って聞きたいけど忘れられてたら嫌だし
しつこいって思われるのも嫌だ。
だから、何も言わない。
いつも通りに話す。
あれ?
これ私も同じこと西谷くんにしてない?
いや、でも向こうは告白のこと忘れてるし
ん?私の方が西谷くんに酷いことしてる?
いや、でも向こうから来るし。
‥‥‥ 苦しい言い訳ばっかり。
なんかやだなあ。こんな自分。
そんなこと考えてたら、もうすぐ家に着く。
「椿さんの家ってここら辺なんですか?」
え、
もうとっくに帰ったとばかり思ってた西谷くんが
ちょっと距離を置いて隣で歩いてた。
「西谷くんも家こっちなの?」
「まあ、そうっすね。」
「そっかー。」
家に着いたから、西谷くんにまた明日って言って家に入る。
何となくだけどもう一回外に出ると
西谷くんはさっき来た道を戻って行った。
優しいのは、西谷くんの方じゃない?
そう思った。
あ、手袋。
返すの忘れた。
寒いかな?
ごめんね。また明日返すね。
また心の中で言い訳を作っていた。