第2章 sunny
「椿さーん!!!!!」
叫ぶな叫ぶな。
聞こえてるってば。
私は仕方なく振り返って
「なに?」
「寒くないですか⁉︎これ使ってください!!」
そう言って手袋を渡してきた。
え、
それって西谷くんがさっきまでつけてたやつだよね?
「いや、なんか悪いからいいよ。」
「使ってください!!椿さんのが寒そうなんで!!!」
‥‥ 。
素直に手袋を受け取った。
でも、やっぱり寒そうな西谷くんの手を見て
さっき貰ったカイロをあげた。
ほんとは私が使っていたかったけど。
「これあげる。」
「いいっす!これも椿さんが使ってください!」
全く受け取ろうとしないから
「2つはいらない。手袋あったかいから。」
「‥‥ありがとうございます!!」
うるさい。そう思ったけど言わなかった。
それも彼の魅力だと思ったから。
「椿さんって優しいっすね。」
「そんなことないよ。」
「いや、なんか不器用って言うか‥ 。」
「私のこと貶してる?」
「そんなことないです!!すっごい褒めてます!!」
「ありがと。」
西谷はいつも真っ直ぐだね。
ほんと馬鹿正直っていうのかなんていうのか。
羨ましいな。
私もそんな風になれたらな‥ 。