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【HQ】虹色の青春

第1章 cloudy






「わかった。セクシーなオネエさんね。」





「‥‥いや、椿チャン?」


「え?セクシーで少しゴツいけど素敵なオネエさんだよ?」





「‥‥俺は女の子がいい。」




「はいはい。」



なんだかクロが不憫に見えてきたから
からかう事をやめてあげた。













突然だった。



「なあ、椿。お前だったらどんなやつと付き合いたいと思う?」




なぜ、そんな事を聞くのか
なぜ私に聞くのか。





「元カノがさ、優しすぎるって‥‥ 俺ってそんな優男だったか?」







少し冗談みたいに言うクロの言葉1つ1つから彼女のことが本当に好きだったんだなって思う。





なんて言えばいいのかわからなかったけど、



1つだけ、伝えた。




「クロは優しくなんかないよ。‥‥‥‥‥‥‥‥‥ただ、」


「ただ?」



「女ったらしなだけ。」







はあ〜とため息を吐くクロ。



「お前なー、真剣に相談してんだよ。」






私だって真剣だよ。

このたらしめ。



でも、その女ったらしに惚れたのは私で
なんて言えばいいのやら。








「無自覚な女ったらし。でも、本当は一途な人だと思ってる。」


「それは、褒め言葉として受け取っていいんだよな?」


「もちろん。」


「お、おう。」





私は頼んでおいたアイスコーヒーを一口飲んだ。


「ほんと一途だね。まだ彼女のこと好きなんでしょ。」




あーあ、また余計な事を。



自分でも分かってるのに
この意地っ張りはいつになってもなおらない。






「そんな事ねえよ。」


「嘘ついてる。まだ好きだから、彼女に振られた理由考えてるんでしょ?」






「そんなんじゃねえよ。あいつと別れたのは高校を卒業した1ヶ月後だ。もう未練も何もねえよ。」








え?
なに言ってんの?
あんなにラブラブだったじゃん。



あの後1ヶ月で別れた?




私の涙返してよ。








「馬鹿だよな、俺。」








そう言って窓の方を見るクロが
今なにを考えているのか
私には分からない。




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