第10章 coffee
蝉の鳴き声
紫外線が飛んでくる夏の日差し
歩くだけで汗が滲むTシャツ
本当は行きたくない学校。。。
少し早く来たから
飲み物を買おう。
暑い。
喉が渇いた。
暑い。
ガコンッ
今日の私はついてるかもしれない
朝一で先輩に会えるなんて
先輩の手にはコーヒー
どっちかと言うと甘党に見える先輩
つい気になって聞いてしまった。
挨拶するだけで顔が熱いくらいなのに、、、
「コーヒー好きなんですか?」
キョトンとした顔
心の中で可愛いと思ってしまった。
「俺あんまり苦いのは好きじゃないんだけど…」
ため気味に話すから
どんな返事が返ってくるのか
気になってしまう
「眠気覚まし!」
ニカッと笑って答えるから
私も赤面しながら
確かに眠くなりますね!
って笑いながら返事をした
先輩は
やっぱり?って言って
もう一度自販機にお金を入れた
ガコンッ
河野も眠くならないように、俺のおごり!
いたずらっ子みたいな顔
その後すぐに教室に戻って行った先輩を見送って
私は1人立ち尽くした
もう心臓が破裂しそう
先輩が私に見せてくれた表情ひとつひとつが
私の心を射抜いていく
先輩からもらったコーヒーは
勿体無くて
なかなか飲めなかった
放課後に一口飲んだコーヒーは飲みやすくて
ラベルを確認すると
それはコーヒーじゃなくてラテだった
コーヒーの隣にあったラテを選んでくれたらしい
そんな先輩の優しさに
またときめいて放課後も勉強に手がつかなかった