第3章 職業チェンジパロディ。
沖田×おまわりさん。
雪乃は、少しスキップをしながら商店街へと歩いていた。
理由は、今日はスーパーの特売日だからだ。
一人暮らしにとって、大量に買い込める上に此れほどまでお得な日は無い。
そのため、スーパーへと、足取りを順調に進めている…
-はずだった。
突如、自分の隣を男が走り去る。
手には、自分の財布の入ったバック。
「ちょッ…返して!!」
「へっ、注意不足なんだよ、馬ー鹿!!」
と男は、嫌な笑いを浮かべながら走り去る。
雪乃も其れを追いかける…だが、男の足に女の足では追いつけず、すぐに距離は離れていく。
「ま、待って!!ッ…あ!」
そういって、尚も追いかけているうちに転んでしまう。
男はどんどん先へといってしまう…。
だが、暫くすると、男の悲鳴が聞こえてきた。
「え、何…?」
と、雪乃が立ち上がろうとすると、男と、其れを手錠で繋いだ警官姿の青年が歩いてきて、
「大丈夫ですかィ?お嬢さん。」
と財布を渡し、立ち上がらせてくれた。
「は、はい。有難うございます。」
「この辺では、引ったくりが多いからねぃ…こいつ交番に連れてくから、お嬢さんも来てくだせぇ。」
と、恐らく青年が乗っていたものであろう自転車に男を繋ぎ走り出す。
男は
「痛ッた!!ちょっ、ま、ぶべら、!!」
と声を上げていた…。
30分後。
調書を書き終えた雪乃は、少し疲れた様子でお茶を啜った。
すると、先ほどの青年が、
「大変でしたねぃ…お疲れ様でさァ。」
とやってくる。
ふと、雪乃は、
「あの、そういえばお名前は…?」
と訊ねてみる。
すると、青年は
「沖田。沖田総悟でさぁ。」
と答えた。
雪乃も名乗ると、沖田は
「雪乃、困ったときはすぐ交番に来い。俺がすぐに解決してやるから。」
と、にっ、と笑った。