第2章 謎の少女
「知らないっつーか…よく覚えてないっつーか…。
ねこきち…だったか…?
確かそんなような名前だったと思う。」
柊に近づいて、その腕の中にいるねこきちの頭を撫でた。
「痛てててっ!離せ、離せって!!」
ねこきちに指を噛まれ、慌てて振り払う。
その姿を見て、柊は手で口を抑えて笑った。
「ねこきち…か。これからそう呼びますね!
あっ、そうだ!」
柊は一度後ろを向いてから、絆創膏と消毒液を持って俺に近づいた。
「噛まれたところ、消毒しますね!」
「悪ぃな…。」
柊はひんやりとした手で、消毒をしてくれた。
「ありがとな。」
「どういたしまして!
私、ねこきちと公園に行ってきますね!」
ねこきちを抱えて柊は家を出た。
「ずるいネ!私も行くアルー!」
神楽は慌ててその後を追いかけて行った。
手にはまだあのひんやりした感覚が残っていた。