第2章 謎の少女
柊が万事屋に入った次の日、早速依頼があった。
内容は、『旅行中に猫の世話をして欲しい。』とのことだ。
家には定春も居るし、ペットの扱いになれてない訳では無いから引き受けたものの、少しだけ面倒に思うことがあった。
それは、その旅行中の期間が2週間と割と長いということと猫が引っ掻くわ言うこと聞かないわで色々と疲れるということだ。
そんな俺の疲れきった表情とは打って変わって、神楽も新八も楽しそうに世話をしている。
柊に至ってはずっと猫と一緒に居る。
それに、何故か柊には妙に懐いていて猫もその傍を離れようとはしないのだ。
「あ、銀さん!」
猫とじゃれていた柊に突然話しかけられた。
「何?」
「この猫、名前付いてましたっけ…?」
柊は猫を抱えたまま俺の前に立って尋ねた。
「あ?名前だ?
そりゃぁ、飼われてんだから付いてんじゃねーの?」
依頼人と話したのは俺しかいないから、他の奴らはこの猫のことをよく知らないまま世話している。
確か依頼人から名前を聞いた気がしたが、正直あまり覚えてなかった。
「銀さんも知らないんですか…?」
柊は大きな瞳を丸くさせ、キョトンとした顔で俺を見ている。