第2章 謎の少女
数分後…
「銀ちゃーん!大変アル!早く来るヨロシ!!」
神楽は慌てて戻ってきて、俺を呼ぶ。
その顔はどこか焦っているように見えた。
「んだよ、面倒臭ぇな…。 そんなにタチ悪ぃ新聞屋なわけ?」
重い足取りで玄関へと歩く。
「あの、新聞ならもう間に合ってるんで帰ってもら…っ!?」
ふと、玄関に立つ人の姿を見て言葉を失った。
そこにはまだ少し幼さの残った、けれど綺麗な顔立ちの少女が居たのだ。
その少女は縋るような目で俺を見た。
「この子、帰る家も家族も居なくて困ってるみたいなんです…。」
新八は震えた声で言った。
「銀ちゃん…。」
神楽も何か言いたそうな表情で俺を見る。
「取り敢えず中、入れ。」
「はい…っ。お邪魔します…。」
彼女を家の中に通し、事情を聞いた。
「実は、万事屋さんにある依頼があってここに来ました。」
「依頼…?どんな…?」
少女は一度大きく息を吸ってから、
「万事屋に入れて頂けませんか…?」
と頭を下げた。
「なっ…!?」
唐突な依頼に、驚くことしか出来なかった。
「父は発明家で、私はお手伝いをしていました。
…けれど、父は病気で亡くなってしまって…。
家も売り払うしか無くなってしまい、お金ももう無いんです…。
そんな時、万事屋さんの話を耳にして…もしかしたらって思ったんです…。」
少女は拳をギュッと固めて、俯いた。