第2章 謎の少女
ある冬の日、俺たち万事屋はいつものように暇を持て余していた。
「こんな寒ぃんじゃ客なんざ来ねえだろ…。」
頬杖をついて『だりぃな…。』なんて思ったりしながら呟く。
「ほんとアル。 あっ、新八ー、肉まん買って来るヨロシ。」
「嫌だよ!僕だって外出たくないんだから!」
「なんだよ、ケチー。 そんなんだからいつまで経っても新八のままアルヨ!」
「名前は関係ないでしょ!?」
神楽も新八も面倒臭いのは同じようで、2人とも机に突っ伏していた。
「はぁー…。」
3人のため息が重なると同時に、『ピーンポーン』とチャイムが鳴った。
「はいはーい!新聞なら間に合ってまーす!」
新八は、さっきまでのだるそうな顔を変えて、玄関へと急いだ。
「新八、遅いアルなー…。」
チャイムが鳴ってから10分ぐらい経ってるはずだが、新八は戻って来ていない。
微かに話し声が聞こえる気もするが、ここからじゃよく分からない。
「銀ちゃん、私ちょっと見てくるネ!」
神楽は、
「新八ー、何してるアルかー?」
とまだ少しだるそうに玄関へと向かって行った。