第1章 EPISODE0 *ここから始まる
マネ「あれ、来てたなら声かけてよ。私てっきり遅刻したのかと思ったわ」
貴「はは。すみません」
まぁ遅刻したんだけどね
ふと梶さんの方を見ると梶さんがクスクスと笑っている
私が遅刻したのに正直に言わなかったからだろう
だってマネージャー起こったら怖いんだもん
マネージャーが梶さんの方を見て、なんで笑ってるの、と言いたげな顔をしたがそのまま喋った
マネ「梶さん、一緒にいたならもう二人で結果聞きますか?
梶さんのマネージャーには言っておきますが」
梶さんはちらっと私の方を見た
梶「あ、じゃあお願いします」
マネ「分かりました。じゃあ少し待っててください。美華、あなたもちょっとここで待っててくれる?」
貴「はい、分かりました」
梶「お願いします」
梶さんがマネージャーにぺこりと頭を軽く下げた
マネージャーはいえいえ、このくらいと言って梶さんマネージャーの所に歩いて行った
梶さんは私の方に振り返ってイタズラな笑みを浮かべた
梶「どうする?これでどっちかが落ちてどっちかが合格したら…それか2人とも落ちてたりして。どっちでも気まずいね」
貴「ちょっと!縁起でもないこと言わないでくださいよ」
梶「はは。ごめんごめん」
そんなことを言っている間にマネージャーが話を通してきたようで私たちのところに戻ってきた
マネ「じゃあ2人とも社長室に行きましょ」
「「はい」」
私と梶さんとマネージャーの3人で社長室に入る
((コンコン
マネ「失礼します。オーディションの結果聞きに来たんですけど…」
社「あー、どうぞ入ってください」
私たちは部屋の中に入った
うちの事務所の社長はすごく優しくていい人なのだがどうしても社長だと思うと緊張してしまう
でも笑ったときの顔や雰囲気は少し梶さんに似ているような気がする。
気のせいだろうけど
そんなことを考えているとマネージャーに話しかけられた
マネ「何してるの?」
貴「あ、いえ」
私は慌てて社長の前に立った。隣に梶さんも立つ
社「では結果を言います─────