第6章 凌辱 ~前編~
私は、その姿をしばらく眺めた後、カッターナイフの刃を少しずつ出していった。
カチ、カチ、カチ……
防音室に、不気味に響き渡ったそれは、金本の耳にも、しっかりと、意味を持って届いていた。
金本マオは、絶望した面持ちで、私のカッターナイフを見つめている。これでこの女も、数分後の運命ぐらいは、悟っただろうか?
金本マオの上半身は、薄手のニットだった。これなら、カッターナイフでも比較的簡単に切り裂けそうだ。本人が暴れさえしなければ。
私は、ゆっくりと金本マオの正面にしゃがみ、上半身の服を切り裂き始めた。
「きゃ、ああああ……!?」
金本マオは、思ったよりも体を動かさなかった。もっと抵抗されるかなと思っていた私としては、拍子抜けするぐらいだ。まぁ、下手に動けば、自分の皮膚が切れるのだから、当たり前なのかもしれない。
「情報の整理を始めましょう。」
私は、ニットを完全に切り裂き終えてから、話し始めた。
「……ぁ、ぇ……?」
金本マオは、もはや顔面蒼白と言った感じだけれど、それはもう無視することにする。これから数時間以内に死ぬ人間の顔色を気にしても仕方がない。
「私は、茨木翔は死亡したと断言しました。」
口は動かしながら、私は次の作業へ移る。上半身に纏っている、下着類も切り裂いて脱がせていく。金本マオは、されるがままになっている。
「そして、ここには、彼の遺品があります。」
ブラジャーも切り裂き、金本マオの乳房があらわになる。貌(かたち)の良い乳房に、私は生唾を飲んだ。こういう色香を目にしたときは、案外男も女も、関係ないのかもしれないなぁなんて、興奮しつつある頭の片隅で考えていた。
「でも、彼はここで死んだわけじゃありません。死亡したのも、約1週間前です。」
続いて、私はスカートを切り裂こうとしたけれど、生地があまり薄手ではなかったために、ナイフに持ち替えた。よし、これなら大丈夫そう。
「これは、どういうことでしょう?」
言い終わる頃には、金本マオはパンツ1枚というあられもない姿になっていた。中々にエロティックな光景だ。