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ゆりかご 【黒執事 R18‐G】

第6章 凌辱 ~前編~



「セバスチャン。」
「はい。」
 セバスチャンは、金本マオが腰かける前に、幾らかの物を放り投げた。茨木翔の端末に、指輪、免許証入りの財布。いずれも、本人でなければ持ちえないものだ。
「あぁ、その指輪。彼が死んだ日は、彼、別の女とホテルに行ってたからかなぁ? 財布の中に入ってたけど。ペアリングっぽい装飾だよね?」
「あ……!ぁ……?!」
 金本マオの目線が揺れる。
 彼女は、やっとオルガンの椅子から床へと下りて、指輪を手に取った。どうやら、ペアリングという私の予想は、当たっていたらしい。
「ど、ういう……?」
 床にぺたんとへたり込んで、指輪を手にしたまま、金本マオは定まらない視線を私に向けてきた。
「ん? 茨木翔は、殺されて死んだってコト。」
 金本マオは、声こそ出さないが、相当に混乱している。
「だから、もう。ここまで来たら分かるでしょう? 茨木翔が死んだときに、身に着けていたものを、ここにいる“彼”が回収したってコトぐらい。」
「な……!? な……!!?」
「はぁ……。あんなに私に対して鈍くさい、鈍くさいって言ってたのに。アンタの方が、頭悪くて鈍くさいんじゃない?」
 私は、わざとらしく溜め息を吐いてみせた。
「どうもこうも、この流れから導き出せる結論は、ひとつだと思うけど?」
「ぇ……?」
 金本マオは、何が何だか分からない、という様子で、私を見ている。
「セバスチャン、この女押さえて?」
 言いながら、私は自分の鞄の中からカッターナイフを取り出した。その間にも、セバスチャンは慣れた手つきで金本マオを取り押さえている。
「どうぞ。」
「ちょ、や――――!?」
 金本マオは、セバスチャンに両手を縛り上げられて、なかなかにイイ格好になった。続いて足も軽く縛られ、その自由は急速に失われていった。その姿は、まるで磔(はりつけ)にされた囚人のようだった。
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