第6章 凌辱 ~前編~
「お願いがあるの。金本マオの自宅所在地を、調べてきてほしいの。確か、B市のマンションに、独り暮らしだったはずなんだけど……。あ、もうちょっと知ってることを、伝えておくね。えっと……。」
私は、この女について知る限りの情報を、セバスチャンに与えた。あの男の端末内にある画像フォルダの中に、あの女の写真もあったので、ついでに見せておいた。
「できれば、近いうちに会いに行きたいから、よろしくね。セバスチャン?」
「勿論ですよ、お嬢様。」
セバスチャンは、私へ黒い微笑みを零した。
さて。私は時間をかけてでも、準備しておかないと。その意図や経緯はともかく、久し振りに同年代の女性と会うのだ。めいっぱい準備をしておこう。