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ゆりかご 【黒執事 R18‐G】

第5章 鳥籠


***




「っ、はぁ……、はぁ……、あ、ちょ、待っ……!ひ、んっ……!」

 私は、何も“鎮まって”なんていない。むしろ、さらに興奮している。与えられる快感に溺れている。性感帯を愛撫され、口付けをされれば、あとはもう、堕ちてゆくだけだ。セバスチャンは、ほとんど息も乱さずに、ついでに服も乱さず、私だけが何もかも乱れている。

「ひゃぁんっ、ふ、ま、……、セバス……、チャ、ん……っ……!」
 火照ってゆく躰に、のぼせ上がっていく意識。セバスチャンの指が私の内側を撫で上げるたびに、私はその快楽に溺れ死にそうになる。
 ……、ふと、あの男のことを思い出した。けれど、セバスチャンに与えられる悦楽が、波のように押し寄せてきて、結局何ということも思い出せないままに、私は喘ぎ声を上げた。
「どうされましたか?今、別のことをお考えだったでしょう?」
「……、ひゃ、ん……!?」
 セバスチャンは、冷静沈着なままで、滑らかに言葉を紡いている。
「お嬢様の様子を見ていれば、分かりますよ。」
 セバスチャンは、ふっと、呆れたように笑った。
 私は、もう余計なことを考えないように、軽く頭を振った。そうだ。今、私の目の前にいるのは、セバスチャンだ。死んだ……、いや、殺した人間のことをあれこれと考えていても、何にもならない。無益なことだ。
「ん……、何でも、ない……。……、それ、……より……。」

 私は、セバスチャンの首に手を回して、セバスチャンをぐっと引き寄せた。そして、そのままセバスチャンの唇に、自分のそれを重ねた。セバスチャンは、少し驚いたようだったけれど、すぐにそれを受け入れてくれた。

 愛撫が激しくなり、私の躰は、ビクンビクンと痙攣して、私の意識はそのまま薄れていった。それが、肉体的な快感とはまた別の次元で、心地良かった。












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