• テキストサイズ

ゆりかご 【黒執事 R18‐G】

第11章 羽化



***

 結局、炎は何時間も経って、やっとのことで消し止められた。特殊装備をめいっぱい搭載した、私が見たことのない消防車が何台もやってきて、やっと鎮火されたのだった。


 無論、この数時間の間、ずっと紅茶を飲んで眺めていたワケではない。時間を有効活用すべく、その時間に、私が分かる範囲で、職場の人間の家を次々と燃やしておいた。……私が殺した金本マオの家も、城本美沙の家も、矢田夏雄の家も。でも、彼らにとっては幸せかもしれない。もしも、天国だか地獄だかがあるのならば、そこで再開できるかも知れないのだから。……まぁ、私としては、未来永劫、あの炎の中で苦しみ続けてほしいけれど。

「はは……、あははは……。」
 辺りに、私の乾いた声が響いた。


/ 128ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp