第9章 拷問 ~前編~
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待ちに待った夜が来た。昨日の夜から放置していた美沙ちゃんに会う時間だ。
「こんばんは、美沙ちゃん。ご主人様ですよ。」
そう言って、私はゆっくりと美沙ちゃんに近付いた。その猿轡、最高に似合ってるね。
でも、今日はハードな躾はしない。昨夜みたいに鞭で打ったりなんて、しない。
その代わり、新しく考えた躾をするのだ。ちなみに、排泄物臭いのは勘弁だから、私がいない間は、片足だけを鎖で繋いでおいて、トイレなんかは自由に行けるようにしておいた。手は、自由に使えるようにしておいてあげたのだ。そのルールを、ちょっと変えよう。
「よし……、っと。」
セバスチャンにもこっそりと手伝ってもらって、美沙ちゃんの両手を、後ろ手で固定した。使ったものは、手錠。これは興奮するしかない!っていう、シチュエーション。
「お腹空いたでしょう? ほぼ1日、何も食べてないんだから……。」
そう言って私は、使い捨て容器に、ケーキを乗せてあげた。生クリームたっぷり、イチゴの乗ったショートケーキ。これなら、両手が使えなくても、ワンちゃんみたいに前屈みになれば、食べられるはず! ……まぁ、「犬食い」って呼ばれる、お世辞にも行儀が良いとは言えない食事方法になってしまうけれど。でも、美沙ちゃんは私のペットなのだから、問題ないよね。
「はい、どうぞ。私が帰るまでに、食べてね。ケーキはナマモノで不衛生になるから、私が帰るときには持って帰るから。お代わりもあるから、遠慮なく言ってね。」
そう言って、私は美沙ちゃんの猿轡を外してあげる。