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ゆりかご 【黒執事 R18‐G】

第1章 契約 ~前編~





 あぁ、私は、私は―――――――
 私は、限界です―――――――












 この世に、神も仏もあったもんじゃない。

 ねぇ、誰だったっけ?
 辛いことでも、ぐっと耐えていれば、我慢していれば、いつかは幸せになれるなんて言った――――――――。
 もう、辛いことばっかり、あり過ぎて、私は、おかしくなったんだ―――――?


 指先の感覚がよく分からないが、携帯電話が、私の手から落ちてしまったようだ。乾いた音が、遠くで聞こえた気がした。


「ぁ、あ、ぁぁぁぁぁ、あ…………、あ、ぁぁぁぁ……?」

 もう、泣くだけのエネルギーすら、私には残っていない。

 あぁ、そうだ。
 あぁ、そうだ。明日、あした……、職場を辞めて、自殺しよう。


 私はこのとき、私の中の何かを、落としてしまったのだと思う。





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