第11章 ・仮想狩場の豹変少女 その2
「代わりに」
若利はなおも不満げな義妹に言った。
「パズルゲームは付き合ってやる。」
「それならいいです。」
いつもの雰囲気に戻った声を聞いて若利はそっと義妹の両目を覆っていた手をどける。義妹はにっこり笑っていて若利はしばしその顔を見つめてからひょいと抱き上げた。
傍から見れば脈絡がなさすぎた為、当然野郎共は白布を除いて動揺する。
「どうかしたのか。」
明らかに気がついていない若利に対し瀬見が呟いた。
「狩り行って凶暴性を見せられたかと思ったら今度は溺愛ぶりを見せられて俺ら忙しすぎか。」
大平がハハハと笑った。
次章に続く