第7章 ・停電
「あの馬鹿嫁、まだ何もかんも済んでないのに。」
「うん、相手が牛島さんだからって呑気過ぎ。」
「けど若利をどやって止めろってんだよ。」
「俺もそれ思うよ隼人、何でこうなるんだ。」
「あのこれ牛島さんが文緒をいじめてるってことじゃないですよねっ。」
「あったりめーだんなことあってたまるか馬鹿っ。」
「逆に愛が行き過ぎてるヨネー、頑張って我慢するんダヨーって言っといた矢先にこれだもん。」
「フラグ立てたのはお前か天童っ。」
「ちょっと英太クン流石に言いがかりっ。」
「お嬢様はそういうのに疎(うと)いのかな。」
「馬鹿馬鹿しい、だったら余計に教養つけてなきゃ駄目だろ。」
「てかよく文緒が潰れませんでしたね。」
「ここにも鈍チンがいやがった。」
そうして電気は復旧し嘘のように晴れた次の日、当の呑気な嫁もとい牛島文緒はポテポテと歩いて登校した。
1-4の教室にたどり着くと教室の壁にもたれた珍しい顔がある。
「白布さん、お早うございます。」
白布はおうとごくごく小さく返してからジロリと文緒を見る。私何かやらかしたのかなと文緒が思っていると顔をずずいと近づけて白布は言った。
「この馬鹿嫁。」
「え。」
「呑気にも程があるだろ、家ん中で牛島さん相手でも気をつけろ。」
「あの」
何のことかわからないと文緒は伝えようとするも白布はプイッとそっぽを向く。
「ホントならこれ瀬見さんの役目だけどな、あの人多分動揺してろくに言えやしないから。」
言って白布は方向を変えてスタスタと去ってしまった。残された文緒はキョトンとしてそれを見送る他なく、その後教室に入ると隣の席の五色が何故か赤面するわ声はうわずっているわの状態で挨拶してくるという事態に直面したのだった。
次章に続く