第1章 Wake up, Me!!
そう言えば今日着てる服も、彩菜が高校生ぐらいには見える雰囲気だ。
イヤリングのせいかな。ヒールのせいかな。
・・・だからかな。あたしが置いて行かれてる気分になるのは。
あたしは興味が無いからよく分からないけど、彩菜がおしゃれに敏感なのは間違いない。
「遥、もうちょっと可愛い服も着てみたら?」
前に彩菜にそう言われた事もあったっけ。
「それお母さんにも言われた。」
適当に返したら彩菜は笑って、それで話は終わったんだけど。
あたしにとったら服なんて、いかに動きやすいかが大事だからなぁ。
ジーパンは当たり前。スニーカーは相棒。カバンはリュックに決まってますとも。
正直制服のスカートもあんまり好きじゃない。入学した時は恥ずかしかったぐらい。
小学校は私服だったのに。なんで中学って制服なんて義務があるの?好きな服ぐらい着せろ。
おかげさまであたしの男っぽい格好に拍車がかかってしまった。
そう。日頃の鬱憤を私服ではらすため。
だから髪まで短く切ったのは決して彩菜が原因じゃない。
絶対。絶対。