第1章 Wake up, Me!!
腹ごしらえしたあたし達は、そのままデパートをぶらぶら歩いた。
隣の彩菜の髪がふわふわ揺れる。
目は右に左にきょろきょろ動いていた。
いつものウィンドウショッピング。
あたしはただ彩菜の横を着いて行くだけ。
「あっ、これ可愛いー!」
てててっと彩菜が小走りに駆け出して、店頭のマネキンのブラウスに触れる。
そのブラウスは中学生にはちょっと大人すぎるようなデザインで。
「ひゃー!高い!」
ついでにお値段も大人だった。
「あたし達にはまだ早いんじゃない?」
大体お店自体が大人っぽいし。
「でも可愛い。」
彩菜は拗ねたような表情でブラウスを見つめ続けた。
ボタンとか襟とか、あたしにはお固過ぎるように見えるんだけどなー。
まぁそんな事言ったら彩菜は本気で拗ねちゃう。
「うん、可愛いね。」
それだけ言っておいた。