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君と私と(非)日常

第32章 最後の一欠片


「……何だこれ?」
修学旅行が終わったと思ったら、何だかよくわからない装置の中で目が覚めた。
装置を開けてみると、仲間たちも起きていて自分達のいる場所に混乱しているみたいだった。
SFチックな内装の薄暗い部屋に、島で過ごしたメンツが揃っている。いや、2人足りない気がする。
「……七海?」
姿を探して辺りを見回す。
箱から出ようとしたが、身体に上手く力が入らなくて立ち上がれなかった。
近くの同じような装置から希灯が起き上がったのが目に入る。
「希灯、大丈夫か」
『あっ……君、もしかして日向くん?。ふふ、何その頭、超ロングヘアじゃん。』
「ん……?ほんとだ。何でこんな……」
記憶にある姿より少し大人びた顔立ちの希灯が、俺の毛髪を見てクスクスと笑う。
すると、部屋に誰かが入ってきた。
黒いスーツを着た男女が3人。1人は親しみやすそうな童顔で、あとの2人は威圧的な顔つきをしている。
そんな3人が、まっすぐ希灯の方に向かっていった。
「希灯さん、お疲れさま」
「体調はどうかしら?」
童顔の男とその横の女がポッドから起きたばかりの希灯の手を取り立ち上がらせ、支える。
『苗木くん、霧切さん、ありがとう。大丈夫だよ。』
「ふん、お前が一番手間取っていたじゃないか。監視者としての自覚はあるのか?」
鋭い目付きの眼鏡の男が鼻を鳴らしながら腕組みをして希灯を見やる。
『はは……ごめんね。自分でもびっくり。でもちゃんと終わらせたから許してよ。』
「これで終わりではないが……まぁいい、ひとまずお前は休め」
「150日も寝たきりで身体も弱ってるだろうしね」
「後は私たちに任せてちょうだい」
童顔の男に介抱されながら、希灯が部屋を出ていく。
『じゃあ、みんな……ごめんけどまた後でね。』
そう言って、希灯はこちらを振り返って薄く微笑んだ。
希灯が連れて行かれるのを引き止めようとしたが、俺は伸ばしかけた手を空中で止めたまま動けなかった。
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