第4章 酔った巨乳には気を付けろ
『入間さん、しっかりして………!。』
超高校級の発明家の研究室では、部屋の主である入間さんがすっかり体を火照らせてグッタリと横たわっていた。
自分の個室から発見したモノクマメダル2枚でモノモノマシーンを回したら、2つとも同じ物が出た。
『不死の酒フリーかぁ……。』
ノンアルコールのお酒が2つ。
誰かと話しながら飲むのに丁度良さそうだ。
そのまま中庭に出てみると、遠くに入間さんの後ろ姿が見えた。
裁きの祠とかのある奥の方へ向かっている。
多分自分の研究室へ行くために歩いているんだろう。
追いかけて声を掛けてみた。
『おはよう、入間さん。』
背後からの声に驚いたようで、ビクッと肩を跳ね上がらせる入間さん。
「なっ、何だよドブス! いきなり話しかけてくるんじゃねーよ!!」
中指を立てながら私に凄んできた。
でも何日も見てきた彼女のそんな立ち振舞いには慣れてたもので、不機嫌な様子も気にせず用件を言う。
『今から一緒に遊ばない?。ほら、これあげるからさ。』
「えっ、これいいのか? へへっ……ボーフラみてーな存在感のわりには気が利くじゃねーか」
不死の酒フリーを見た途端、嬉しそうな顔で奪い取ってきた。
『うん、2人で飲もうと思って。』
すると入間さんは眉間に皺を寄せて舌を出した。
「バーカッ誰が貴重なオレ様の時間をテメーに割いてやるかよっ!! 足を洗って出直してこい!」
『顔を洗うだよー。』
だらしなく眼前に出された舌をすかさず掴む。
「はッなにひてんらっ! はなへよぉ!」
突然の行動に入間さんは狼狽えた。
私は超高校級の歯科医だから、他人の舌や唾液なんて慣れっこだ。
『ねぇ、私は入間さんと仲良くなりたいんだ。その為には色々お喋りしたり遊んだりするのは必要なことでしょ?。だから、今日は私と一緒に過ごそうよ……。』
舌を引っ張って身長差を縮める。
お互いの額をくっ付け合うように目を合わせて、至って普通の口調で遊びに誘った。
「……っ! な……なんだよぉ……チビカスのくせにオレ様に命令するなよぉ……」
舌を放してあげると、入間さんは弱々しく睨みながら唸る。
『そっかぁ。仲良くしてくれないんなら、代わりに私の抜歯コレクションの一部になってもらおう。』
寝てる間に縛り付けて、麻酔無しで抜いちゃうよ。
「……ひぃぃ! あっ遊んでやるよ……! 遊べばいいんだろぉ……?!」