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【アドルフ】レインハード【テラフォーマーズ】

第3章 それは偽りの愛でした


ここはU-NASAドイツ支部

私はここの受付担当として配属され
その日は施設内を案内されていた。

思っていたより広いし
意外と立ち入り禁止エリアも多い。
宇宙開発に携わっているから
国家機密とかあるんだろうなぁ…
そんなことを考えながら
ぼんやりと担当の人と歩いていた

私の仕事は受付での来客対応や
電話対応
お客様のご案内など…
施設内の情報がしっかり頭に入っていないと
仕事にならない。

不安そうな表情が伝わったのか
担当の人は
大丈夫だって!嫌でもそのうち覚えるから!
と、言ってくれた。

大体みんなそう言うが
その覚えるまでが不安でしょうがないのに…
なんてとても言えない。

ピリリリリ…と、携帯が鳴る
あ、ちょっとごめんね!
そう言うとその人は電話に出た

しばらく話したあと
急いで行かなきゃいけない所があるから
あとは1人でまわって見てくれる?
と言われた。

ええええ…と思いながら
案内図見ながら一通り見たら
戻ってきてね!
とだけ言うとさっそうと行ってしまった。

静かな廊下に1人取り残される私。

はぁ…と少しため息をつきつつ
渡された案内図を見ながら歩き出す

廊下には窓がなく
蛍光灯の電気だけだから
少し雰囲気がこわい。

ちょっと薄暗いし…

やはり国家機密が…?
そんなことを考えながら
この階の最後の部屋を確認した

「えーと…ここは立ち入り禁止…か」

カードロック式なのか
扉の横には装置がついている
そして扉には名前が。
担当者…アドルフ ラインハルト

「アドルフ ラインハルトさん…っと
メモしとかないとね」

案内図に名前を書き込む
必死すぎて後ろに人がいることさえ
気付かなかった

「ここで何している?」

いきなり背後から声をかけられ
私は声にならない悲鳴を上げる

「…っっ‼︎⁉︎

び、っくりしたぁ…

ごめんなさい!
私、この度ここの受付に配属されました
と申します!

今ちょうど施設内を見てまわっていたところで…」

「そうか、ご苦労」

その人物はポケットからカードを取り出し
扉横の装置にピッと当てた

ウィィン…と扉が開く。

「あ!アドルフ ラインハルトさんですか?」

「ああ、そうだが」

「これからよろしくお願いします」

私はいつもの仕事用スマイルで笑った
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