第15章 Let's Go海水浴4~オール~
「何時までそーしてるつもりだ」
べりっと、私から謙信様の腕を秀吉が剥いだ
「謙信め、なかなか上手い事するじゃないか」
嬉しそうに笑っている信玄
当の謙信は何事も無かった様にふんっと鼻をならし
「佐助、目隠しをしろ」
スイカ割りをするつもりだ。
先ほどの政宗と同じようにされ
佐助がスタートの合図をすると、身構えもせずに、スタスタとスイカに向かって、歩いてゆく謙信
シュパン...............
振り上げられた刀が弧を描くと
見事なまでに、真っ二つにされたスイカ
「すごーい!謙信様!」
「流石です!謙信様」
「やるなぁ謙信」
上杉陣と、きゃっきゃとはしゃぐ私の後ろで
押し黙ったまま、その光景を見ている政宗
「政宗、完全に失態だな」
「あーあ、先手を取られましたよ政宗さん」
「くくくっ、面白くなってきたじゃないか」
「地形と歩幅と、計算式を入れると......成る程」
「まぁ良かろう、だが次は無い。皆の者気を抜く出ないぞ」
思慮蠢く真夏の海水浴は
まだまだ始まったばかり..........