第1章 抱いた気持ち
全部聞かれてた!!!!!!
何て答えたら良いか分からない
私にも優しく笑って下さい?
無理無理無理無理!!!!!!!
口が裂けてもそんな事言えない!!!!!!
うつ向いてあの、とかその、とか
もごもごと口ごもる私に家康さんが
「充分リオは甘やかされてると思うけど?
秀吉さんや、政宗さんなんかに」
と吐き捨てる様に言い放った
ツキンと胸を刺される様な痛みが走り
「ちがっ!!!.....く.....て........?」
強めの口調で否定の言葉を発しながら
顔をあげると
そこには寂しそうで苦しそうな家康さんの顔
「いえ...やすさん.....?」
問いかける様に名前を呼ぶと
はっと我に返った家康さんの顔が
一瞬赤く染まった
くるりと踵を返し
そのまま立ち去ろうとする家康さん
「あ、待って!あのっ......」
何を言ったら良いのかは分からない
でも、何だが凄い誤解をされてる気がする
そう思って呼び止めると
家康さんは背を向けたまま立ち止まり
「....何でもない、今の忘れて」
そう言い残し、
その場を立ち去ってしまった。