第54章 Two sides of the same coin※R18
俺とした事が完全に抜かった。
湧き上がる怒りと後悔で、手綱を引く手も強くなる。
隠れ家として使っている宿に到着した俺は
そのままリオを部屋に運び
彼女の顔を隠すように被せてあった頭巾を取った。
頬を赤く染め、瞳を潤ませ
呆けた様な顔の上気した女の顔をしたリオの姿
この姿を、家康に見られるとは。
『おねだり』のまじないの効果が
まさか他の男の口からでも有効だとは
想定外にも、程がある。
いや、今回の事は完全に俺の落ち度だな。
するっと首裏に腕を絡ませ
俺の膝の上に向かい合わせに
抱きつき身を預けてくるリオ
性急に唇を食む様に深く口付け
甘い吐息を漏らす彼女の体を抱き締めた
久しぶりに感じるリオの香りと
感触に、俺まで当てられそうだ
後ろに回されて居た腕が離れたと思えば
彼女は自らの帯をほどき始めた