第49章 海水浴Another~オールⅡ~
湯煙を掻き分け、武将達が女湯へと崩れた仕切りを跨いで向かえば、こざるを抱いたリオが、湯の中で口をあんぐりと開けたまま、固まって居る。
「何だ、野生の猿か」
「猿とて、リオの肌に触れるとは、許さん、斬るか」
刀を鞘に納める政宗と、未だ猿に刀を向けている謙信
「謙信、刀なんて向けたら天女が怯えてるじゃないか、しまいなさい」
「謙信様、こざる相手に本気にならなくても」
佐助が謙信の手から刀を奪い、鞘に収める。
「全く考えなしに斬りかかる癖、治した方が良いと思うぜ、謙信様」
呆れる幸村、と
口をぱくぱくさせながら
その様子を見ていたリオが
「きゃああああああ!」
盛大な悲鳴をあげた。
驚いて逃げてゆくこざる