第43章 Chocolate truffle~家康~※R18※
「家康、居るかな?」
襖の向こうからリオの声
佐助から聞いてる。
今日は『ばれんたいんでー』
女の子が好きな人に
ちょこれいとって言うモノを渡して
愛を告白する日らしい。
告白も何も、とは思うけど
リオが一生懸命台所で何かしてたのは
知ってる
緩む口元を我慢して
襖を開けた
「勝手に入ってもかま.....」
襖を開けながら、リオに声を掛けるも、開いた襖の前に佇んでる彼女を見て、思わず言葉が止まった。
何時もより、着飾ったであろう彼女の姿。
凛とした雰囲気の中にやさしく咲いた牡丹が印象的な着物。大人っぽく落ち着いた黄色の生地と、品のある幻想的な淡い桃色の花の色合いが、強調しすぎない華やかさを演出していて、彼女に良く似合っている。
薄く化粧をしているのか、珍しく紅まで引いている。