第32章 Timid heart~秀吉~
眩しそうに私を見る彼の瞳
日も暮れ始め
宿に戻ろうと歩みを進めていると
立ち止まって待っていてくれる秀吉さん
横並びに歩いていれば
ふわっと羽織を肩からかけられる
「風邪引くといけないから、な」
ありがとうと告げ微笑めば
何時もの優しい笑顔を向けてくれた
瞳の奥に宿る
激情を見破られまいとするかの様に
秀吉さんと心を通じ合わせてから
3ヶ月が過ぎようとしていた
何時でも優しく私を甘やかしてくれる
でも
彼は私を抱かない
幾らでも機会は作れた
求められれば
答える覚悟は当に出来てる
ううん。
私だって彼を感じたい
扇情的な瞳で見つめる癖に
その先を求めてこない彼
あなたが思う程
私は子供じゃ無いのに