第29章 Low-grade fever of crimson~オール
「何処にでも、あの手の輩は居るもんだ」
信長の杯を満たしつつ
光秀がにやりと笑う
「あやつが選んだ男だ。口出しはせん。が....」
一瞬凄まじい殺気を孕み
「悲します様な事になれば.....容赦はせん」
謙信達を一瞥し、信長が言い放つ
信長と三成以外の安土勢は
全員心の中で
『この人が間違いなく、一番リオを甘やかしてる』
誰も口に出さずに
そう思った。
「真田様もリオ様も、皆様に愛されてますね」
にこにこしながら
三成が言うものだから
先程のぴりっとした空気が一気に和らぐ
「..........たまには三成のアレも役に立つんだ」
「くくく、お前らしいわ」
びっくりする家康と
楽しそうな政宗
場の空気を取り戻し
男達の宴は夜更けまで続いていった
二人はそんな自分達が
酒の肴になっているなど
露知らず
柔らかな熱を
お互いに分かち合って居た......